ESPRIMO WD2/Sレビュー
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富士通ESPRIMO WD2/Sは、スリムタイプのデスクトップPC。最近国産メーカーでは液晶とPCが一体となったオールインワンPCが増えてきていますが、このWD2/Sは、液晶が別になったセパレートタイプ。店頭では販売されておらず直販専用モデルとなっています。
カスタマイズの幅が広く、エントリーマシンからハイエンドマシンまでそれぞれのニーズに合った構成に仕上げることができるため、非常に高い人気を誇ります。
(#追記:WD2/Sの販売は終了しました。最新のWD2シリーズの詳細については、WD2シリーズレビューを参照してください)
それでは、ESPRIMO WD2/Sの特徴について詳しく見ていきましょう。
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1)多様なカスタマイズが可能
WD2/Sでカスタマイズ可能な項目は次のとおり。
モデル | WD2/S |
OS | Windows 8.1 Update 64ビット版/ Windows 8.1 Pro Update 64ビット版 |
CPU | Intel Celeron G1840 (2コア/2スレッド/2.80GHz)/ Core i3-4160 (2コア/4スレッド/3.60GHz)/ Core i5-4590 (4コア/4スレッド/3.30~3.70GHz)/ Core i7-4790 (4コア/8スレッド/3.60~4.00GHz) |
メモリ | 4/8/16/32GB |
ストレージ | 500GB/1/2/3TB HDD/ 256/512GB SSD |
2nd HDD | なし/3TB HDD |
ドライブ | スーパーマルチドライブ/ BDXL(TM)対応 Blu-ray Discドライブ |
グラフィック | CPU内蔵/CPU内蔵+HDMI/ NVIDA GeForce GT635(専用ビデオメモリ1GB)/ NVIDA Quadro K620(専用ビデオメモリ2GB) |
拡張スロット | PCI Express x16、PCI Express x1 |
インタフェース | DVI-D出力×1、アナログRGB出力×1、 USB3.0×4、USB2.0×4、PS/2×1 |
ワイヤレス | なし/IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠+Bluetooth v4.0+HS準拠 |
CPUは、インテルCeleron、第4世代Core i3-4160、i5-4590、i7-4790の中から選択可能。コストパフォーマンスに優れたCeleronからハイエンドのi7まで、幅広いラインアップを揃えています。
メモリは4-32GBを構成可能。メモリスロットは4つです。32GBまでメモリを構成できるモデルは珍しいですね。メモリ容量が大きけれど大きいほど作業効率をアップできるので性能重視の人にとってはありがたいと思います。
HDDの容量は最大3TBですが、オプションでSSD(256/512GB)の構成を選ぶことができます。高速アクセス可能なSSDを選択することで、パフォーマンスの向上を図ることができます。
また2ndストレージ(3TB HDD)を搭載することができ、1stストレージにSSD、2ndストレージにHDDを搭載することで、SSDの高速性とHDDの大容量データ保存という特性を利用することができます。
最近こうしたSSDとHDDを組み合わせたスペックを持つマシンが増えてきましたね。SSDの価格が下落傾向にあることから、こうしたスペックが実現していると思うのですが、より高速なアクセスを実現したい人であれば、このオプションを検討してみるのもありかもしれません。
光学ドライブはDVDスーパーマルチに加えて、ブルーレイディスクも搭載可能。
グラフィックスは、チップセット内蔵タイプに加えて、カードタイプのNVIDA GeForce GT635を選択可能。さらに3DCG作成や動画編集などに最適なNVIDA Quadroも搭載可能。本格的なグラフィック編集作業にも利用できます。
ワイヤレスもオプションで用意されています。最新のIEEE 802.11 acにも対応しているため、高速アクセスが可能。
このようにWD2/Sは、多様なパーツをカスタマイズすることができ、自分のニーズにぴったりの構成に仕上げることができます。
次にWD2/Sのパフォーマンスをチェックしてみましょう。
今回レビューした構成は次のとおり。
CPU:インテルCore i7-4790 3.6GHz
メモリ:32GB
グラフィックス:NVIDA Quadoro K620
ストレージ:512GB SSD+3TB HDD
カスタマイズできる最高スペックの構成になっています。
WIN SCORE SHAREでWidnowsエクスペリエンスインデックスの値をチェックしてみました。結果は上のとおり。すべての項目で高いスコアを記録しているのがわかります。
こちらはストレージのアクセス速度のベンチマーク結果(CrystalDiskMark 3.0)。1stストレージに512GB SSDを搭載しているため、高速アクセス可能なのがわかります。
こちらは、動画描写力を計測するCINEBENCHのグラフィック項目の結果。さすがQuadroを搭載しているだけあって、高いスコアを記録しています。
全般的にパフォーマンスは高め。実際に操作していても、動作が非常にキビキビしていてストレスを感じるシーンは少ないです。
2)スリムなボディ+落ち着いたデザイン
WD2/Sの筐体の特徴は、なんといってもコンパクトでスリムだということ。
片手で簡単に掴むことができます。
幅は9cm以下しかありません。
これなら狭い場所にも問題なく設置することができます。
A4サイズの雑誌と比較してみても、この大きさです。
安定性を確保するためのスタンドが同梱されています。
このようにスタンドを使用することで、倒れないようにすることができます。
セットアップするとこんな感じ。PC本体がコンパクトなので、それほど存在感がないですね。
ちなみに横置きすることもできます。
カラーリングはラグジュアリーブラックのみ。落ち着いたデザインなので、置き場所に困りません。リビングにも仕事部屋やオフィスにも違和感なく置けると思います。
3)各パーツをチェック
前面部。
左上に光学ドライブが配置されています。
光学ドライブにアクセスするには、前面部左上にあるフタを手で開ける必要があります。
ちょっと分厚めのフタです。一般的なデスクトップの場合、外にある開閉ボタンを押せば、フタが自動的に開くタイプが多いのですが、WD2/Sの場合、いちいち手で開く必要があり、ちょっとめんどくさいかもしれません。ただ、その分、埃が入りづらくなっています。
前面部の真ん中左に電源ボタンが配置されています。
その横には、電源ランプとHDDステータスランプが配置されており、WD2/Sの状態を確認することができます。
前面部右下にはつまみがあり、これを引っ張ると外れます。
ここにSDカードリーダー、USB 3.0×2、マイク端子、ヘッドホン端子が配置されています。
これらの端子を使うとき、フタは別の場所で保管しておく必要があります。
上面部。放熱効果を高めるためか、ぎざぎざ模様になっています。
背面部を見てみましょう。
中央部に電源コネクタが見えます。2つコネクタが見えますが、上のコネクタは、液晶の電源コンセントを差し込むためのものです。また電源スイッチも配置されています。
このように液晶モニタの電源をPC側から取り込むことで、PCをシャットダウンすると同時に液晶モニタの電源もオフにすることができるため、省エネにつながります。
背面部の一番下には各種端子と拡張カードスロットが配置されています。
端子類は左側に配置されており、USB 3.0×2、USB2.0×4、LAN端子、PS/2端子、オーディオ端子が搭載されています。USBは前面に3.0が2つ搭載されているので合計8個搭載されていることになります。またレガシータイプのPS/2端子も搭載しています。
また映像出力端子として、VGA端子とDVI端子が用意されています。
右側には拡張カードスロットが配置されています。PCI Express x16×が1つ、PCI Express x1が1つの計2つが搭載されています。このWD2SにはNVIDA Quadro K620が搭載されており、映像出力端子であるDVI、DisplayPortが配置されています。
4)筐体内部をチェック!
WD2/Sでは、ネジを2つ外すだけで筐体内部にアクセスできます。
背面部の両端にある矢印のついたネジを外します。
側面部を、前面部の方向に少しずらせば、筐体カバーが外れます。
スリムタイプデスクトップだけあって、パーツがすごくコンパクトに積み込まれているのがわかります。
上の写真の左側が前面部です。
左上には光学ドライブ、ストレージ、左下には電源ユニット、右にはマザーボードが配置されています。
左上の奥の方に光学ドライブ、手前側にストレージが配置されています。
マザーボードにはCPU、その脇にメモリスロットが4つ配置されているのが見えます。
その下には拡張スロットが2つ配置されています。
上の写真の部分を横から見たところ。コンパクトなボディを実現するため、拡張スロットは横向きになっています。
上にPCI Express x16、下にPCI Express x1が配置されています。
5)同梱されるキーボード/マウス
キーボード/マウスには、USB有線キーボード/マウス、コンパクトワイヤレスキーボード/ワイヤレスマウスのいずれかを選択可能。
こちらはワイヤレスタイプのキーボードとマウス。
USBレシーバーをUSBポートに挿して使います。
ワイヤレス方式のキーボード/マウスを使用することで、邪魔なケーブルが不要となり、PC周りがすっきりするほか、非常に操作しやすくなります。
またワイヤレスタッチパッドなるものもオプションとして用意されています。これもワイヤレスでつながります。
指で操作することで、ノートパソコンのタッチパッドのように使用することが可能。下の部分がクリックボタンになっています。
ESPRIMO WD2/Sについて詳しく見てきました。特徴をまとめると次のとおり。
ESPRIMO WD2/S
- 富士通で唯一となる、PCと液晶が別々となるセパレートタイプ。
- 直販でのみ購入可能
- 本体自体がすごくコンパクトなので設置場所をとらない。横置きも可能
- エントリーレベルの構成からCore i7プロセッサ/大容量メモリ/高性能グラフィックス/SSD+HDD構成のハイエンド構成に至るまで、多様なカスタマイズが可能
- 3年保証がついている
スリムタイプで設置面積をとらないのに、多様なカスタマイズが可能なので、高い人気を誇るのも頷けます。直販モデルなので3年保証が付いているのもいいですね。万人にお勧めしたいデスクトップです。
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